2010年12月29日

その6:海賊の襲撃

我々の船がオポルトを出港してから二日。
視界は前方一面、どこまでも水平線しか見えない。
常に海岸線を左右どちらかの視界内に入れていた沿岸航海とは違う、未知の航海への興奮と不安が胸をよぎる。
いかんな、船長たる私が弱気になっては。船員たちの士気にもかかわる。

そのとき船員の叫び声がした。

「船長、7時の方向に船影! ・・・海賊船です!」
な、なななななんですとぅ!?

「左舷砲門、発射!」
我々は敵船を撃沈した。
大砲の撃ち方さえわからなかった私だが、なんとかなるものである。
いきなり海賊に襲われたことには驚いたが、船体への被害もさほどなく、応急修理をしながらでも航海を続行できそうだ。


さらなる騒ぎが起きたのは、海賊を撃退した翌日だった。
「船長、大変です! 船員が反乱を起こしました!」
なんだと!?
海賊船の襲撃は、それほどまでに船員たちを動揺させていたのか。
船室に立て篭もった船員たちの説得に当たる。
「なぁ、不安はわかるが、海賊なら撃退できたじゃないか」
「船長!」
近くにいた船員が叫んだ。
「海賊船が突っ込んできます!!」
よりにもよって、こんなときにか!!
騒ぎに気を取られて、海賊船の接近に気がつかなかったのか!

我々はまず海賊船を撃退した後、船室に突入して船員を縛り上げた。
この難局も、辛うじて乗り切ることができた。

ひとまず、船には平穏が訪れた。
だが私の心には迷いが生じていた。
このままマディラを目指して大丈夫なのか?
まだ私には早かったのではないか。
船員たちの不安そうな目を見れば、彼らがどう思っているかはすぐわかる。
マディラまであと何日かかるかもわからない、また海賊に襲われる可能性もある・・・。

不安は船員たちも同様だった。
彼らの口から陸地を懐かしがる声が聞こえ始めたのだ。
これは・・・、今度はホームシックか!
私は決断した。

「諸君、この船はこれからリスボンへ帰港する。がんばってくれ、あと数日の辛抱だ!」
船員からは歓声が湧き上がった。
彼らの表情を見て、私の判断は正しかったと確信した。


私にとって初めての外洋航海は、このように散々な結果であった。
posted by すぽきゅん at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ラモンの航海日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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