2011年02月23日

その37:流されて…

この日の朝、手首を怪我してしまった私は、とりあえずプレイにどの程度差し障りがあるか確かめるためにログインした。
街中を歩き回ったところプレイできないほどではなかったが、チャットや洋上での細かい操作、それに長時間のプレイには不安がある。
多少なりとも痛みを訴える患部を酷使するのはいかがなものだろうか。
やはり、しばらくログインは控えて安静にしているのが賢明な判断というものだろう。

そんなことを考えながらリスボンの街中をうろうろしていると、交易所でソフィヤさんとばったり。
いざ北海へというタイミングでしばらく中断なんて申し訳ない、なんと言えばいいかと言葉を探す私。
その隙をソフィヤさんに突かれた。
「せっかくお会いしましたし、北海デビューしちゃいます?」
私は即答した。
「私としても、ソフィヤさんに同行していただけると嬉しいです」

……あれ?


まぁ現時点では痛みもそれほどではないし、なんとかなる…だろう。

こうして私は、不安を抱えたまま北の海へ漕ぎ出した。
目指す北海の空は厚い雲に覆われているという。まるで今の私の心のように。




リスボンを出て北に進路を取ると、すぐに海賊が襲ってきた。今まで散々苦しめられたイベリア海賊だ。
キャラベル級にランクアップしたサンタ・クララ号の初陣を飾るにふさわしい相手だ。
ここはぜひとも格の違いを見せ付けるような戦いぶりで、旅立ちに花を添えてやろう。

だが落ち着けラモン、うかつに敵船に突っ込んでいってサンタ・クララ号の船体に傷でもついたら大変だ。ここは砲撃で黙らせよう。
私は目標の敵船を視界に入れ、慣れた手順で船員に砲撃を命令した。

ところが砲弾は一発も出ない。私は焦ってさらにクリック連打。
カチカチ、カチカチカチ、カチカチカチカチ。うんともすんとも言わない大砲。
ふと大砲の装填ゲージを見て、私は気づいた。
大砲積んでませんでした。

「提督、どうします?」
一隻の海賊船を沈めながら、ソフィヤ船長が指示を仰ぐ。
「白兵戦に持ち込む!」
そう、大砲がなくても接舷して斬り込めば何の問題もない。
そもそも私は白兵戦のほうが慣れている…の、だが、新しい船は大型化したせいか、小回りが利かずなかなか接舷できない。

そうこうしているうちにソフィヤさんはさらに一隻の海賊船を沈めていた。残るは一隻。
手間取りながらもなんとか接舷に成功した私は、船員と共に敵船に乗り込んだ。
「野郎ども、渡し板を出せ、敵船に斬り込め!」



が。

旗艦同士による熱く激しい白兵戦の火蓋が切って落とされた、まさにそのとき。
敵味方入り乱れる戦場は、大きな爆発に包まれた。
爆発のあとには、あたり一面に埃が舞い上がり、吹き飛んだ木片が散乱して焼け焦げた臭いを放っていた。

背後を振り返ると、こちらを向いた船腹にずらりと並んだ商用ピンネース(味方)の砲門からは、真新しい白煙が上がっている。
「ぎゃあああああ、やめてーーー、撃つなぁぁぁぁぁ!」
抗議の声も空しく、商用ピンネース(※味方)の砲門からは、第二弾が発射された。


ソフィヤがイベリア海賊を撃沈しました!
「ふう、間に合った」
爽やかに額の汗を拭いながら、ソフィヤさんはそう言った。
何かの聞き間違いデスヨネ?




戦闘後、オポルトに寄港した私とソフィヤさん。
所用で席を離れたソフィヤさんを残して私が酒場に入ると、そこには先客がいた。
いかにも航海者風の格好をした男の名は、キエフ=シュガット。
リスボンで出港直前にも、オポルト入港直後にも彼を見かけ、ここでも見かけて三度目、こういう縁は、話しかけるきっかけとして便利だよな。
キエフ=シュガット

「よう、よく会うな。私はこれから北海に行くところなんだが、あんたはどこへ?」
「生産中」
「そうか、それじゃあ北海への旅に誘うわけにもいかないな」
残念だったが、仕事中の相手を誘うわけにはね。
「がんばれよ、またどこかで会おう」
私はキエフと乾杯して別れた。

酒場で一人になった私が料理を注文していると、
「すがすがしいワンシーンでしたね」
背後から突然声をかけられて振り返ると、そこにはソフィヤさんが。
「見てたんだ!?」
「旅の1コマって感じでなかなかよかったです」
くそぅ、やられた。誰も見てないと思ったのに。




嵐が来ました! 帆を広げていると転覆してしまいます!

オポルト沖の嵐

オポルトを出港してすぐ、我々を襲ったのは暴風雨だった。
いったん嵐に遭ってしまうと、帆をたたみ錨を降ろす以外に、我々にできることは何もない。
嵐への対処方を体で覚えているのか冒険経験こそ景気よく積めるが、海と空が荒れ狂う数日のあいだ、もちろん水と食料は消費するし、船体は風と波とでギシギシと悲鳴を上げて、船がバラバラになるのも時間の問題だ。
とにかく一日でも早く嵐が通り過ぎてくれるのを、水面に浮かぶ木の葉のようにして待つしかない。

そんな嵐の最中にもかかわらず、ソフィヤさんは自分の船を修理している。
それどころか、私の船まで同時に修理している。
「そのつど修理するんで、冒険経験を稼いじゃってください」
嵐の中を船から船に移動できないだろうから、おそらくソフィヤさんの指示で手際よく修理ができたということなんだろう。
便利だな修理スキル。


幸運にも嵐は早く通り過ぎ、我々は航海を再開した。
ボルドーに寄港し、さらにロンドンを目指す。
ところが、ドーバー海峡を通過中、まさかの遭難(回線切断)。

今回はいったいどこまで流されたのだろう。
復帰するとすぐにソフィヤさんにテレパシーを送った。
「近くの港に入ってください」という指示を受けて改めて周囲を見渡すと、アントワープの港が見えた。
「アントワープが見えます」
「私もそこにいますw」
案外流されず、近場だったようだ。

アントワープ

「ちょっと予定とは違う形ですが、初のオランダ領上陸おめでとうございます」
初めて上陸した北欧の港は、異国情緒に溢れていた。

副官ソフィヤ通訳中

言葉がわからない土地でもこの通り。
パーティメンバーのうち誰か一人が話せれば通訳してもらえるのだ。
「この航海では大いに副官として使ってください」

今回の北海探検、torikichiさんが曳航してきた沈没船ヴィッテ・レーオ号から引き上げた、金とターコイズを高く売るのも目的の一つだ。
リスボンや道中の寄港地では、どこでも6,500D程度だった金が、アントワープではなんと8,500Dで売れることがわかった。覚えておこう。




しかし、この日の航海は失敗だったかもしれない。
そもそも怪我の調子を確かめて数日留守にすると伝えるのが目的だったので、あまり時間がなかった。
それに加えて、この地方の言葉を私が話せないというのも、今日のうちに目的地までたどり着いて英語かオランダ語を習得しなければ、という焦りにも似た思いもあって、つい気ばかり急いていた。
途中のボルドーやナントでの体験談がすっぱり抜けてるのは、そういう理由なんだ(ボルドーには立ち寄ったんだけどね)。
こういう空気は隠していても伝わってしまうもので、彼女も途中から「おかしいな?」と感じていたはず。
やはり、自分の心が「楽しむぞ」という意気込みで満たされていなければ、周りの人を楽しませたり気を配る余裕はないと痛感した。

この日の私には楽しむ余裕がなく、逆にソフィヤさんにかなり気を遣わせてしまい、楽しみにしていただろうに大変申し訳ないことをした。
posted by すぽきゅん at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ラモンの航海日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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