2011年06月26日

その78:バザーへ行こう

「船長、大変です! 調理室から火が出ました!」
マラガ沖を航海中、我々の船は火災に見舞われた。
「なに!? すぐ消し止めるんだ、消火砂を持ってこい!」
「消火砂ありません!」
「なんだと、防火担当は何をしてたんだ!」
「船長が要らないって言って捨てたんですぜ」
船員たちが一斉に白い目で私を見る。

はっ。そ、そうだった。
アイテムスペースが足りなくて、船の火災なんて滅多に起きないからいいかと……。
捨てたとたんにこれだ、本当にツキがない。
だが船員たちの私を見る目は冷たい。
ここはなんとかうまく切り抜けなければ。

そのとき、積荷に火が付いた。
「船長、大変です。交易品の魚肉と牛肉に火が!!」
むむ、こうなっては仕方ない。
「お前たち、よく聞け。実はこれは火事ではない。船上バーベキューだったのだ!
船員たちの手が止まる。
みな唖然とした表情でこちらを見ている。
「どうした、焼けた分からどんどん食っていいぞ! ただし生焼けのには手を出すなよ」
船員たちの間から一斉に歓声が上がった。
ふぅ……どうやら乗り切ったようだ。

バーベキューパーティ







「今日ロンドンでバザーがあるよ」
ピサの宿で受け取ったValからの手紙はこの一行だけで、開催時刻はどこにも書いていない。
やれやれ、困ったやつだ。
まぁ憶測で言えば、21時かそれ以降の開始だろう。

実を言うと、先日参加したCdG創立記念祭のバザーで、私は時間を持て余していた。
店先に並んでいたのはまったく手が届かないような高額商品か、私から見て用途不明か、明らかに冒険者向けではない品ばかり。
あのときは、正直、場違いなところに来てしまったとしか思えなかったものだ。
だからロンドンにも行く気はしなかったが、ピサにいる理由もないのでとりあえず海に出た。

マラガ近海での失火を乗り越えてジブラルタル海峡を航行していると、アーニャからのテレパシーを受信。
「今夜ロンドンで開かれる青空市に行きませんか?」
せっかく誘ってもらったのにどう断ったものかと言葉を慎重に選んでいると、アーニャが知り合いと今リスボンに来ているという。
「話しませんか」というので、それならと酒場で落ち合うことに決まった。

酒場で相談

上がアーニャの連れValkyr。

一度は行くつもりはないと断った私だったが、Valkyrのこの一言で気が変わった。
「むしろ逆だよ、普段売りにでない初心者向けのものとかもでるし、世界が広がるよ」
なるほど、CdGの創立記念祭はギルドのイベントで上級者が多いから、ロンドンバザーは来客も売り物も違うかもしれないな。
ここは一つ、自分の目で確かめてみるべきだ。
百聞は一見に如かずとも言うしな。

「初心者でも楽しめそうと聞いて安心したよ」
その気にさせてくれたValkyrにお礼を言うと、
「とりあえず私をちと手伝っておくれ」
うん、そうね、手伝・・・・・・手伝う?
どこから出てきた、そんな単語。
いったい何の話だ。

「兄貴が露天開くからまた布教してあげて」
兄。Valkyrの兄はValらしい。そういえばValからの手紙も届いていたっけ。
二人の話ではValが開くバザーの売り子兼モデルをやってくれということなのだが、
「……なんで私?」
それが、この話を聞いて最初の感想だった。




「私は商人でもないのに、なんでそんな面倒なことをしなきゃいけないんだ」
あまりに唐突すぎるこの話を、私は冷ややかに突き放した。
「バイト料もささやかに用意してるって」
金の話じゃないんだよ。
Valkyrの言葉が期待した答えではなかったので、私は言い方を変えることにした。
「私は金では動かないぞ。面白ければタダでも手伝う。面白くなければやらん」
二人の答えはこうだった。
「面白くなるかどうかは私たち次第かな」
「エンターテイナーとしての技量が試されるんですね」
そんな当たり前のこと聞いてねーよ!!

伝わってないな。
知りたいのは私に白羽の矢を立てた理由だよ。
言い換えるなら私が参加したくなるようにイベントの趣旨や魅力を説明してくれということ。
この時点では「マネキン代わりよろしく」しか言われてない。

だいたい二人とはほとんど初対面デスヨ?
アーニャはソフィヤを通じて「あの子に会うことがあればらよろしく」と頼まれてはいても、本人とはアムステルダムで一度か二度会って軽く挨拶しただけ。
Valkyrに至っては文字通り初対面。ValとだってCdG創立記念祭のときに話しただけなのに「妹です」と言われても、「そうですか」としか答えようがない。

親しい間柄ならともかく、初対面同然の相手から当日それも2時間前に「何も聞かずに黙って手伝え。ただし面白くなるかはお前次第」とか言われても困ります。

「何をやるのかさえ教えてもらってないんだが、それを私に隠してるのも考えあってのことなんだな?」

唐突な「お願い」と進展しない話にイライラした私が、ほとんど脅迫のような言い回しまでして、ようやく教えてもらった内容をまとめると、こんな感じだろうか。
「今のバザーでは超高級品しか売られていない。それら最上位品と道具屋で売っている最下位品の間を埋める商品を売り出して、少し財布に余裕が出てきた初心者にお金を使ってステップアップしたりプチ贅沢な買い物を楽しませてやりたい」
Valkyrの説明には、私自身頷ける部分も多かったので協力を快諾。
まぁ「最初からそう言えよ!」とは思ったけど。
一旦ログアウトし、21時にリスボン酒場で待ち合わせてロンドンへ行くことに決まった。
posted by すぽきゅん at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ラモンの航海日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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