2011年09月22日

その106:愉快な二人組

リスボンの酒場で航海の疲れを癒していると、奥の座敷から話し声が聞こえてきた。
「・・・んでさー。ちょっと聞いてるの、おっさん。ヒック」
見ると二人組の女性が、飲んだくれの親父に絡んでいた。

「そのおっさんに話しかけても無駄だぜ。すっかり酒浸りで人の話なんか聞きゃしないんだ」
「アル中ってやつね」
二人組の片割れ、べーやんが私の忠告に頷けば、もう一人のクラリオは、飲んだくれの親父に向かって涙ながらに訴えた。
「ちょっとお父さん、しっかりしてよ!」

お父さん!?
飲んだくれ親父の娘





ことの始まりは、フランス海軍ジャン=フィリップ殿のこの一言だった。
「ラモン、沈没船の引き上げに行かないか?」
黒海に交易船が沈んでいるという情報を手に入れたらしい。
黒海って危険海域だと聞いたような……。
なんてやつだ、そんなところでの沈没船引き上げに私を誘うとは。
まったく、さすがはジャン=フィリップ殿、ロマンというものがわかってるな。

東地中海に不案内な私のために、迎えとしてJPの要請でアーニャが派遣されることになった。
はやる心を抑え、リスボンの酒場でアーニャの到着を待つ私。
二人組の話し声を聞いたのは、ちょうどこの時だった。

「ここで毎日飲んで……。死んだお母さんが忘れられないみたい」
クラリオがうつむき加減に呟いた。
最愛の妻を亡くしたショックか。
このおっさんにそんなドラマがあったとは
「エッグ、ヒック…」
すすり泣きがした方を見ると、ベーやんが声を殺して泣きながら酒を浴びるように飲んでいた。
「お姉さんまで……」
二人は姉妹だったのか!

そこで一同沈黙、酒場の一角を重い空気が包む。
「話広げすぎて収拾がつきません」
沈黙を破ったのは、素に返ったベーやんだった。
あははは、あの沈黙はソレか。
「のってくれてありがとう」
クラリオも言った。
まぁ、こうして知り合うきっかけになったのだから、オチはなくともいいじゃないか。
実は私も酒場のマスター相手に一人で話しかけるのはよくやっていて、周囲から合いの手が入らないかと期待しているのだが、現実は厳しい。
だから今日のように同志を見つけたときくらい、のってあげたいじゃないか。



ちょうど区切りがついたところでアーニャが到着。
「ジャンさんの依頼でお迎えに上がりました」
とテレパシーで伝えてきた。
「盛り上がってるようなのでカウンターで飲んでますね」
と言ってくれたが、さすがにアーニャやJPに悪い。
私は二人に別れを告げて店を出ることにしたのだが、ここから先がすごかった。

「残念だが迎えが来てしまった」
「あなた、行ってしまうのね・・・」
別れの言葉を告げる私を、クラリオが引き止める。
「すまない、私には黒海で財宝を積んだまま海底に沈んだ船を探すという海の男のロマンが、どうしても捨てきれないのだ」
じっと見つめるクラリオの澄んだ目を正視できず、逸らしてしまう私。
「だめ、・・このまま、商会にさそってしまいたいくらい・・!」
「ダメだ! 私のような男では君を幸せにできない! どうか私のことは忘れて、幸せになってくれ」
泣き崩れるクラリオ。
「・・・船員たちが呼んでいる。二人とも、またどこかの海で会おう」
「ええ、また・・あえるわよね?」
「ああ、きっとまた会えるさ」
(注:一切脚色してません。実際にあった会話です)
二人の世界
その証拠写真。


「オナカイタイよー」
見詰め合う二人の横で、べーやんは笑いをこらえるのに必死だった。
「お似合いだからさっさとフレ登録しちゃいなさい。ここまで合わせてくれる人多分いないw」
涙目になりながらそんなことを言っていた。

ここまで話したところで、ふと思いついた。
沈没船探しに黒海へ行くのは本当のことだし、二人を誘えばいいんじゃないか?
「失礼、ロドリゲス殿」
咳払いと共に、ギャラリーと化していたアーニャがタイミングを合わせて出てきてくれたので、二人を改めて誘った。

お嬢さんをください!

娘の父親に承諾を得るラモンの図。




4人で艦隊を組んでリスボンを出港すると、JPからテレパシーが飛んできた。
「あの〜ラモン殿」
まずいな、待たせすぎて怒らせたか?
戦々恐々とする私だったが、続くJPの言葉はまったく違った。
「艦隊が4人になっているんだが・・・。相変わらず凄いね
それは褒めているのか呆れているのか。

「ところで、言ってなかったが今回の沈没船はしょぼいぞ。引き上げてみて、みなさん引かれたら恥ずかしいぞ」
JPが言った。
「それで引いてしまうようなプレイヤーならそれまでの縁さ」
私は答えた。
心配する気持ちはわかる。
自分が選んだ相手でないときは、特にね。
今回に関しては二人とも気のいいプレイヤーだし、引き上げの経験もほとんどないそうだから、大丈夫だと思うよ。

沈没船や幽霊船にロマンがある根拠が、一攫千金の可能性なのは間違いない。
だから成果が肩透かしだったら内心がっかりするのも仕方ないと言える。
あとはゲーム内資産とゲームプレイ自体のどちらを重視するかプレイスタイルの違いによるから、こればっかりは縁と思って割り切るしかない。
スタイルが違えば自然と疎遠になっていくものだろうしね。
だからこそ、私は日々他のプレイヤーに話しかけて、スタイルの近いプレイヤーを探しているというわけだ。
決してナンパしてるわけではナイデスヨ?

改めて紹介

チュニスで合流したJPに二人を紹介。



チュニスでJPを艦隊に迎えた我々は、アーニャから私に提督が交代。
日頃自力自力言ってる私に配慮したJPの策略だったのだが、なにもゲスト抱えてるときにそんなことしなくても……。
その上、アーニャが「提督、警戒スキルはどうします?」と私に尋ねたときなどは、
「消しとくー」
「消しておきますね」
空気を読んだべーやんとクラリオが即答、それを見てJPとアーニャも満足げに警戒解除。
ねぇみんな、なんで私相手に結束固いの!?


連合海賊

チュニスを出て東に進むと、クレタ島付近で海賊の襲撃を受けた。
驚いたことに、マルタ海賊とバルバリア海賊という、所属を越えた連合艦隊だった。

アテネ、トレビゾンド、カッファを経由して、黒海に、そしてその奥のアゾフ海に入った。
イスタンブールでは変装度が足りずにメンバー1名が入港を拒否されたので、寄港を取りやめた。
艦隊単位で行動しているのだから、全員の入港を認めないような港には一銭も落とさないのが私の艦隊のルールだ。
ああそれにしても腹が立つ。イスタンブールの役人め。

clario_beyan5.jpg

船の大きさを合わせ、陣形を整えた航行。
危険海域でわざわざ小さい船に乗り換える心意気を持った仲間たちだ。

カッファで提督をJPに変え、いよいよ沈没船探しが始まったのだが、これが実に大変だった。
JPによると地図に描かれた沈没船の位置が頻繁に変わるという。
そんなことが本当にあるのかという気もするが、海流の関係だろうか?
おかげで
「〜〜がもっとも近くにいるようです!」
というメッセージが出るまでが、まず大変だった。
その上、やっと位置を特定して引き上げの準備を始めたら、その瞬間を待っていたといわんばかりにオスマン帝国の艦隊が海賊船を伴って襲撃をかけてくる。
ものすごく強い艦隊なので、せっかく見つけた沈没船の位置を覚えている余裕などあるはずもなく。
「見つけた!」→「その宝貰った!」というループを何度繰り返したことやら。
オスマン帝国の艦隊には、自力で見つけろと言いたい。

しかし、長時間かかった甲斐あってか、JPが心配していた小さな沈没船には、なんとダイヤモンドが積まれていた。
言葉の通じないカッファの港だが、今夜はいい夢を見られそうだ。
posted by すぽきゅん at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | ラモンの航海日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
・・・・・・・・もっともらしいセリフいってるけど
君、ナンパスキルは優遇職なんだね・・・・・・・・
Posted by とりきち at 2011年10月10日 07:34
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