2011年10月09日

その107:茜色の出航所

この日、カッファで目を覚ました私が海へ出ると、眼前に広がるアゾフ海は穏やかそのもので、もう2週間前とはいえオスマン帝国の海軍と激戦を繰り広げたのが嘘のようだった。
あれほどしつこかったオスマン艦隊が、今日は影も形も見えないなんて、やはり彼らの狙いは沈没船の横取りだったのか。

ところが黒海に入った途端に海の様相は一変、気がついたときには周囲を無数の海賊船で囲まれていた。
「船長、どこにも逃げ場がありませんぜ!」
「構うものか、正面突破だ! 全速前進!」
「アイアイ・サー!」
我々は3隻のガレー艦隊に向かって突っ込んでいった。





「はっはっは、どうだ、恐れ入ったか!」
肩で息をしながら、私は沈み行くガレー船に向かって勝ち誇った。
「ギリギリの勝利だったじゃないですか」
ゴンサロ(仮)は呆れたように呟いた。
うるさい、勝利には違いないだろうが。
最初は砲撃戦に徹するつもりだったのだが、漕船スキルを使ったときのガレー船があまりにも速くて衝角を避けるだけで手一杯になってしまった上に、スキル船員の数が46対28と大幅に上回っていたので、つい誘われるように接近戦を挑んでしまった。
だが今になって思えば、それこそがやつらの巧妙な罠だったのだ!
まさか相手の船員を1人倒す間にこちらが3人も殺されるとは思わなかった。
Valから買った撤収の鐘がここで役に立ったのだが、100%撤収成功って便利すぎだろ。

結局、この戦闘では砲撃で3隻とも沈めたものの、運行に必要な人数ギリギリまで船員が減ったため、以後は極力戦闘を避けての航行を強いられた。
一方で激戦を覚悟していたマルマラ海(ボスポラス・ダーダネルス両海峡の間)は静かなもので、海賊らしき船影もひとつだけだったので楽に通行できた。
もしかすると、勝とうと思わなければ、航行自体は案外簡単なのか?



黒海を抜けて地中海側に出ると、海賊も途端にバルシャ程度の小型船になった。
よし、ここまでくれば一安心だ。
私は背後のダーダネルス海峡に別れを告げると、エーゲ海に散らばる小島の間を縫うように南へ向かった。

途中で補給のために寄港したアテネでは、言葉の壁に突き当たった。
言葉が通じないことが、これほどつまらないとは。
とてもこの街の散策を楽しむ気になれなかった私は、やむを得ず、東地中海の地図を見て言葉の通じる港を探すことにした。
すると目に付いたのは長靴の形をしたイタリア半島。
半島に沿って地図を北に辿ると……。

そうだ、ヴェネツィア行こう(古都つながりで)。

ヴェネツィア行きはこのようにして決まった……のだが。
まさかあれほどの魔境、試される地だとは思いもしなかった。



最初の障害は、アテネを出港した我々がペロポネソス半島(アテネがある斧のような形の半島)の西側に回りこみ、イオニア海に入ったところで発生した。
突然、船の舵に藻が絡み付いて船が動かなくなったのだ。
ふぅ、こんなこともあろうかと駆除スキルを取っておいてよかった。
なんでネズミを駆除するスキルで藻を取り除けるのかはわからないが、殺鼠剤(ネコイラズ)が藻に効くとは思えないので、薬剤を思わせるスキルアイコンはフェイントで、実際には人海戦術で駆除するためのスキルであると考えられる。

スモモもモモも藻も藻のうち

見えにくいが、緑色の藻が水面近くに浮かんでいる。
正直、この地味なエフェクトにはガッカリした。
もっとこう、昆布かワカメのお化けみたいなのが船全体に巻きついて、そのまま水中に引きずり込む……という展開を期待していたのに。
……それだとクラーケンになってしまうか。

藻の発生がイオニア海の特徴なのか、それとも今まで運が良かっただけで、どこの海でも発生しうるのか、それはわからない。
しかしサルガッソ海対策として取ったスキルが、意外なところで活躍してくれたものだ。

第二の障害は、アドリア海を北から南に吹く強い風。
潮流も関係しているのか、向かい風に強いはずの三角帆にしていてもなお、船は遅々として進まない。
なるほど、ヴェネツィアから足が遠のくわけだ。
と一人納得していると、ソフィヤからもテレパシーが入る。
「察するに今はアドリア海の逆風にさいなまれてるところですかね?」
「アドリア海の逆風は、この世界随一の美しい街であるヴェネツィアから足が遠のく理由です」
これを聞いて「みんな同じなんだな」と思わず笑ってしまった。
ヴェネツィアに生まれた航海者はこれが日常なのだから大変だ。
ああ、だからガレー船が発達したのか。




途中で寄港したザダールの港も目を見張るような美しい港だった。

桟橋から見た風景


吸い込まれそうなほど深く青い海


見よ、この美しい街の景色を!!
ポルトガルでいえばファロ程度の小さな港町なのだが、それでも白い家と青い空、そして群青色の海の美しさに、私は言葉を失った。

アドリア海自慢

地元住民が言うだけのことはある。
こんな景色を見せられたら、足止めを食うこと間違いなし。
ある意味これが第三の障害か。



だが鋼の意思を持つ男と自負する私は、この程度ではくじけない。
逆に考えるんだ、ザダールでこれほど美しいなら、噂のヴェネツィアはもっと美しいに違いない。
いったいどんなところなのか、と。

こうして私は自らを奮い立たせ、断腸の思いで永住したくなったザダールに別れを告げた。


そして、私はヴェネツィアへ到達した。
ゲーム開始初日にこの港町の美しさを聞かされ、目標にしてからたどり着くまで、およそ10ヶ月。
振り返ればその間いろいろなことがあった。

海一面に夕日を反射して燃えるように輝くこの景色を、私はいつまでも飽きることなく眺めていた。

金色のアドリア海
posted by すぽきゅん at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ラモンの航海日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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