2011年11月23日

その122:チュニスの密偵

この日、私はチュニスのギルドに雇われてセビリアに向かう途中、ジェノヴァに寄港した。
以前ソフィヤがジェノヴァで仕入れたベルベットをチュニスで売って大儲けしていたのを見て、私もジェノヴァに投資してみたくなったのだ。

一口3,000D、意外と安いな……。思い切って60,000D投資した。

冒険家として認めてください

「おお! これでますます我が国は豊かになるだろう。君の投資の貢献に対して新たな爵位が与えられるよう、私からポルトガル王に取り計らってあげよう」

冒険家として認められたいです……。

いや、わかってはいるのだ。
おそらく爵位の授与は、三種の名声を合算しているのだろう。
それでも、本業以外で認められてしまうのは、なんとなく口惜しい気持ちになるのである。





チュニスのギルドには私の興味を引く依頼が二つあり、どちらも行き先はセビリアだった。
・「イスパニアで最近発明されたばかりの新型の銃について調べてほしい」(海事ギルド)
・「イスパニアから来る船に最近増えた紋章について調べてほしい」(冒険者ギルド)


スミマセン、新型銃の誘惑に負けました。
そんなだから冒険家として認められないんだよ!!

だが新式銃に興味を抱く私を、いったい誰が責められるだろうか。
なにしろ銃と言えば、大砲と同じくこの時代の花形武器。
にもかかわらず、私が見たことがあるのはカサブランカのマッチロック式か北欧のスナップロック式の二種類だけ。
攻撃力だってロングソード以下だ。

もっとこう、ないんですかね?
イエス・キリストが生前に使った伝説の銃ジーザスショットとか、ヘパイストスが作った神々の銃バルカン砲とか、戦乙女に支給された天界の制式銃ヴァルキリーファイアとか。
衛星軌道上レーザーよりよっぽど現実的な気が……しませんでした。



ファンタジィな妄想はさておき、私は新型の銃に関する情報を求めて、ここセビリアに潜入した。
最新兵器といえば国家機密、命がいくらあっても足りない危険なスパイ任務。
運が良ければ新型銃の現物が手に入るかも、という下心でもなければ、とても割に合わない。

私はまず道具屋へ向かった。
「親父さん、銃を一つ売ってくれないか?」
「銃だって? この店のどこにあるってんだい?」
さすがは百戦錬磨の店主だ、この程度では口を滑らせない。
力ずくで口を割らせる手もあるが、そいつは二流のやり方さ。
なにせ背後は港でここは商店、人目につくリスクは避けないとな。
「おいおい、もったいぶるなよ。新型の銃が発明されたって聞いて飛んできたんだ、この店なら真っ先に入荷してるはずだろ」
私は店主をおだてて自尊心をくすぐることにした。
「ああ、もしかしてアンタが言ってるのはマスケット銃のことか?」
来たっ!
これぞ相手に自発的に話させる巧みな話術のなせる業。
「あれは野戦用で、航海者が使うものじゃあないぜ」
おいおい、全身プレートメイルで甲板戦をやってる連中がいる世界で、そりゃないだろう。
「納得できないなら、王宮の衛兵に使い勝手を聞いてみるんだな」



店主の言うことももっともなので、私はその場を渋々引き下がり、衛兵に実際の使用感を尋ねてみることにした。
「あの銃か……。兵の間でも評判はあまりよくないぜ」
衛兵は苦々しげに話し始めた。
「なにしろすこぶる重い上に発射時の衝撃もハンパじゃないときてる。あまりに扱いが難しいんで、扱える兵士には特別手当が支払われてるって話もあるくらいさ」

うーむ、なるほど。どうやら扱いにはかなり難があるようだ。
結局のところ個人用の武器は扱い易さと信頼性が鍵になる。
クロスボウやハルバードといった大規模な集団戦闘で活躍する、いわゆる戦争用の武器とは、また違った特性が必要なのだ。


新型の銃が個人用の武器ではないとわかって気落ちした私は、報告書も適当にまとめて酒場娘のロサリオに届けてもらうことにした。
今思えばサンプルとして実物の一挺でも持っていけば、気の利くやつだと名声が高まったかもしれない。



セビリア動物園

スパイ活動終了後、セビリアの街中で会った少女。
セビリア郊外に森なんてあったか? と思わず探してしまった。
彼女が言っているのは海を挟んだアフリカの大地の話なのか、それともセビリア郊外にまだ見ぬ秘密の動物園があるのか。
posted by すぽきゅん at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ラモンの航海日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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