2013年01月04日

「ダルタニャン物語」読了

昨年5月、アレクサンドル・デュマ作、鈴木力衛訳のダルタニャン物語全11巻を読み終えました。
一見大航海時代Onlineとは無関係な作品の感想を書いた理由、それはラモン誕生に大きくかかわっているからです。

思えば大航海時代Onlineに誘われた2010年の暮れは、この作品を読み始めた直後。
長髪にヒゲ、軽装に銃といった外見的特徴はもちろんのこと、ラモンの口調やBlogの記事の文体が妙に時代がかっていたり、もってまわった言い方が見られるとすれば、それはこの作品の影響に違いない。
(なにしろ訳者は1911年生まれの人)

しょせん付け焼刃の口調なのであっさり化けの皮が剥がれた気もしますが、嫌な顔をせず付き合ってくれる友人たちに感謝。

国籍もはじめフランスにするつもりでしたが、大航海時代とフランスが私の中で結びつかなかったので、お隣のポルトガルへと変更したという経緯があります。





私がこのダルタニャン物語――『三銃士』として知られる作品の原作――に興味を抱いたのは、映画『仮面の男』を見たことがきっかけでした。
(その映画を見るきっかけはフィギュアスケーター、アレクセイ・ヤグディンが同映画を題材にしたプログラムを見たからなのですが、それは本筋から離れるので横に置いておきます)

多くの人と同じく『三銃士』といえばチャーリー・シーン主演の映画しか思い浮かばない私にとって、この『仮面の男』は衝撃でした。
内容を大雑把に説明すると、よく知られた『三銃士』から数十年後、それぞれの道を歩んでいたかつての英雄たちが再び剣を取る、というものです。
最後に明かされる伏線(話のオチ)も秀逸で、『三銃士』の続編として見事に完結しています。

数日後、友人に熱気を持ってこの興奮を伝えたところ、意外なほど反応は薄く、冷たいものでした。
理由を尋ねる私に友人は一言。
「だってあの映画、原作と全然違うし」

……は? ゲンサク?

そう、文学少年でなかった私は知るよしもありませんでしたが、アレクサンドル・デュマが書いた三銃士の物語は全11巻の三部構成で、『三銃士』として良く知られるのはそのうちの第一部(1〜2巻)に過ぎなかったのです。

友人の一言がきっかけで、原作『ダルタニャン物語』に俄然興味が沸いてきた私。
ええ、興味は沸きました。
行動には移しませんでしたが。
……よくあることですよね? ね?



そんな私が原作を読むに至ったもう一つのきっかけは、三谷幸喜によるNHKの人形劇「新・三銃士」でした。
日曜朝にやっていたのを見ているうちに、私の知っている映画版『三銃士』とは細部がかなり違っていることに気がつきました。

いったいどちらが原作に忠実なのか?
この問いに答えを出す方法は一つしかありません。

人を殺せそうな厚さに二段組みの活字がみっちりと。それが×11冊。
原作小説は、長かった。

冒頭にも書いたように翻訳された時代もあって文体がちょっと古臭く(失礼)、それが読みにくさを助長しているのですが、そこはさすがに名作。少し読んで慣れてくると、作品世界に引き込む吸引力はものすごい。

読むのが大変だと感じたのは、正直1巻のうちだけです。
というのも2巻の後半――つまり第一部の後半――が、映像化作品には描かれていない衝撃的なシーンの連続で、手に汗握るという表現を超える鳥肌モノのシーンに、いやがうえにも読書スピードが上がります。
映像化作品を知っていたからこそ、逆にいい意味で裏切られたのかもしれません。
とにかく、ここで文体に慣れ作品世界に飛び込んでしまえば、一度上がった読書スピードそのままに読破できます。
読めば読むほど速くなって、最後のほうは一気に読み終えてしまいました。



結論から言うと、映画版『三銃士』とも三谷版『新・三銃士』とも、原作は大きく違いました。
前述したようにどちらの作品とも第一部後半をバッサリ切り落としている以上、原作の再現度は五十歩百歩なのですが、原作でミレディーのダルタニャンに対する復讐心を理解するのに、『新・三銃士』でのミレディーの心情描写は参考になりました。

一方『仮面の男』はと言うと。
全然違いました。

違いを挙げるより共通点を挙げた方が早いくらいです。
・三銃士&ダルタニャンという主役
・仮面の男の存在
これくらいでしょうか?

第三部に限らず原作の大きな魅力が、実在する歴史上の人物が多数登場すること――つまり大河ドラマ的な――なのですが、映画『仮面の男』ではその魅力が完全に損なわれています。
後半の主人公ラウル(ブラジュロンヌ子爵)の恋人ルイズ(ラ・ヴァリエール夫人)も登場しませんし、代わりがクリスティーヌでは存在感が……。

作品自体の出来(ストーリー、キャスティング、音楽、衣装など)は優秀だと思いますし、評価は原作を読み終えた今でもまったく変わりません。
そのあたりは原作を知らなかったことが幸いしているかもしれません。二度楽しめてお得な気分です。




最後に注意事項など。
【その1】
『仮面の男』は『タイタニック』直後のレオナルド・ディカプリオ主演作品ということで、アイドル期のディカプリオがメインかと油断していると、ナイスミドルな三銃士&ダルタニャンの魅力に打ちのめされます。
オヤジ好きの諸氏はくれぐれもご注意を。

【その2】
銃士たちの中でもとりわけ様々な顔を見せるアラミスは、原作の第二部以降、策謀家としてしての側面が強くなります。
各種映像化作品で切れ者に描かれるアラミスが大好きなファンの皆様は原作に過度な期待をすると痛い目を見ます(経験者談)。
逆にポルトスは原作でもあんな感じです。むしろさらに突き抜けていて清々しささえ覚えます。
モリエールの名前を覚えるときのダルタニャンとポルトスの掛け合いは素晴らしいボケとツッコミです。
posted by すぽきゅん at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ダルタニャン物語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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